積載10ton・傾斜50° 転倒試験用反転装置

積載10ton・傾斜50° 転倒試験用反転装置
積載10ton・傾斜50° 転倒試験用反転装置
業界 農業用機械製造工場 用途 農業用機械の転倒角度検査
テーブル
サイズ
6000㎜×4160㎜ 積載荷重 10000kg
ストローク 0~50° 型式 KTL-1317-16-2.5
特注範囲 傾斜装置、傾斜速度2速(高速・低速)、本体形状完全特注
課題 特殊テーブル仕様、傾斜機能付、安全対策

お客様の課題

トラクターやコンバイン等の農業用機械の転倒角度試験用の反転装置を製作できないかとご相談をいただきました。当事例において、お客様には以下の課題がありました。

①10tonの重量のあるトラクターやコンバインを積載し、最大50°まで傾斜させて転倒試験を実施できる製品を導入したい。

②ピット内への埋込設置だが、スペースの都合上で装置内部へ油圧ユニットを設置する必要がある。メンテナンス時に容易にアクセスできるよう配慮してほしい。

③海外ユーザーのため、コンテナ輸送が可能なサイズに分割、現地組み立てが可能な構造にしてほしい。

これらの課題を解決できる提案を行った、当社をご選定いただきました。

提案内容・導入効果

今回は対象ワークの寸法を考慮し、テーブル寸法6000㎜×4160㎜、積載荷重10000㎏、傾斜角度50°の反転装置(傾斜装置)を製作しました。

①の課題について、10tonの重量物を50°まで傾斜させる際に発生する偏荷重にも耐えられるよう、厳しい条件を想定した高剛性フレーム構造にて製作しました。また試験対象であるコンバインやトラクターの安全を確保し、万が一の落下を防止するためテーブル上にはタイヤ位置決め用のストッパーを設置。さらに油圧ホース破断等のトラブル発生時のテーブルの緊急落下を防ぐための落下防止バルブも搭載することで安全に試験を実施いただける仕様としています。

②の課題であるメンテナンス性については、ピット内部に設置された油圧ユニットへ作業者が安全かつ容易にアクセスできるよう、テーブル面に専用の点検口を設けました。さらに点検口の真下には上り下り用のハシゴを常設し、保守・点検作業の効率性と安全性を両立させています。

③の海外輸送への対応については、大型の反転装置全体をコンテナ輸送が可能な3つのユニットに分割できる「ノックダウン方式」を採用しました。これにより輸送コストを最適化するとともに、現地でのボルト接合による容易な再組立てが可能な構造を実現しています。

この他にも試験の利便性を高めるため、昇降速度を2段階調節できる仕様を搭載するなど、お客様の細かなご要望にも対応しています。

リフトテーブル ソリューションナビを運営する株式会社河原は、当事例のようにリフトテーブルの機構を応用した、高剛性が求められる大型の反転装置や傾斜装置、試験用設備の開発・製作も得意としております。お客様の特殊なご要望や設置環境を考慮し、最適な提案を行いますので、お気軽にご相談ください。

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