特注開発事例・課題解決事例

大型ポンプ製造工場にて、作業用足場としてリフトテーブルを使用したいと、ご相談を頂戴しました。お客様には以下の課題がありました。

①大型ポンプは、製造工程によって大きさや形状が異なっている。都度、作業用足場を設営・解体し作業を行っていたが、作業性が悪い。径が変わっても足場の設営・解体が不要になるようなリフトテーブルを導入することで、生産性を向上する。

②高所作業が発生するため、機上作業者や工具の落下や、周囲の作業者の巻き込み事故の発生リスクを排除する必要がある。よって安全対策を徹底する。

③ピット内設置で、ピット内への浸水の可能性もある。油圧機器やそのほか機械部品についても対策が必要。

これらの課題を解決できる提案を行った、当社を選定いただきました。

今回は対象ワークの寸法を考慮し、テーブル寸法1500mm×2250mm、積載荷重400kgのリフトテーブルを製作しました。特に昇降能力については、5500mmという高ストローク仕様で、高所作業の効率化と安全性向上に貢献します。

①の課題について、大きさや形状が異なる大型ポンプの製造に対応するため、テーブル上面に手動式のフリーステージ機構を搭載しました。これにより、作業対象の大きさや形状に合わせてテーブルの形状を柔軟に変更でき、従来のように都度、作業用足場を設営・解体する必要がなくなり生産性の向上を実現しています。

②の課題である安全対策については、作業者の安全を最優先に考えた設計を徹底しました。機上からの作業者や工具の落下を防止するため、テーブル上には手摺とつま先板を設けました。加えて、乗降り口の扉が閉まっていないとリフトテーブルが作動しないように、インターロック装置を取り付けています。さらにピット内への異物落下や、昇降時の挟み込み事故を防ぐため、パンタグラフ部分を完全に覆う4面ジャバラを装着。周囲の作業者へ動作を知らせる警告灯とブザーも搭載し、あらゆる角度から安全対策を講じています。

③のピット内への浸水リスクに対しては、リフトテーブル下に高さ600mmの架台を設置し、全体を嵩上げすることで対応しました。これにより、万が一ピット内に水が溜まった場合でも、重要な油圧機器や機械部品が浸水しない安全な構造を実現しています。

この他にも、リフトテーブル上で様々な工具が使用できるよう、エア配管およびAC100Vのコンセントを設けるなど、お客様の作業効率を最大限に高める工夫を盛り込んでいます。

リフトテーブル ソリューションナビを運営する株式会社河原は、当事例のように高ストローク仕様であることはもちろん、作業効率と安全対策を徹底的に両立させたリフトテーブルの設計・製作を得意としております。お客様一人ひとりの作業環境に合わせた最適な提案を行いますので、お気軽にご相談ください。