油圧式リフトテーブルの寿命を延ばす!メーカーが教えるメンテナンスのポイント

油圧式リフトテーブルの寿命を延ばす!メーカーが教えるメンテナンスのポイント

油圧式リフトテーブルは重量物を安全に昇降させる強力なマシンですが、その寿命はメンテナンスのやり方により数倍変わります。メンテナンスを怠ることは、単なる寿命短縮や故障のリスクだけでなく、重大な人身事故や思わぬ業務停止にも直結します。適切な構造理解とメンテナンスが故障・事故防止の鍵です。

故障の多くは作動油の管理不足によるパッキン劣化やグリースアップ不足など、「防げたはずのトラブル」が原因です。本記事ではメーカーの視点から、リフトテーブルの寿命を最大限に延ばすためのメンテナンスポイントを詳しく解説します。

1.メンテナンスを怠ることで発生するリスク

メンテナンスを怠ることで、以下のような重大なリスクが生じます。

  • 「突然の落下」という命にかかわるリスク:油圧ホースの劣化やボルトの緩みを放置すると、昇降中に突然テーブルが落下し、下敷きになるなど重大な事故を招く恐れがあります。
  • 「早期発見」によるコスト削減:異音やわずかな油漏れを放置すると、最終的にシリンダーや油圧機器全体の交換が必要になり、高額な修理費用が発生します。早期発見が修理費用を抑えます。
  • 法令および安全義務の遵守:労働安全衛生法に基づき、事業者は機械の安全確保の義務があります。点検記録がない状態で事故が発生した場合、管理者責任を厳しく問われることになります。

2.油圧式リフトテーブルの構成とチェック項目

主要な構成要素を把握し、部品の重要性を理解しておきましょう。

構成部品 チェック内容
テーブル 変形および亀裂などはないか
パンタアーム 変形やピン部の偏摩耗はないか
油圧シリンダー 油漏れはしていないか
油圧ユニット 異音や油漏れはしていないか
ベース 変形および偏摩耗はないか
操作制御盤 異常動作などをしていないか
配管・高圧ホース 油漏れや表面劣化はないか
作動油 油量は適正か、汚れはないか

3.寿命を延ばす5つのメンテナンスポイント

故障やトラブルを防ぐため、以下の5項目を重点的に点検してください。

①作動油の定期的な交換と管理

油圧装置にとってもっとも重要なポイントです。汚れた作動油はバルブやシリンダーを傷つけます。

  • 交換時期:年1回~2回を推奨(使用頻度による)。
  • 油量の確認:リフターが最下限の状態で適量か確認。
  • 汚れの確認:オイルの変色(黒ずみや白濁)がないか確認。

※必ず指定粘度(一般鉱物油 ISO VG32)を使用してください。ただし特注機種の場合は異なるケースもございます。

②各軸受部のグリースアップと摩耗度チェック

最重要なメンテナンスポイントです。給脂を怠ると偏摩耗が急激に進行し、修理不可能な致命的トラブルに直結します。

  • 給脂場所:パンタアーム各軸受部およびシリンダー取付ピン部。
  • 給脂時期:毎月の給脂を推奨(使用頻度による)。

※メーカー指定のグリースを使用してください。ニップルがない機種はスプレー式潤滑剤の塗布も有効です。

③油圧系統の油漏れチェック

油漏れを発見した場合は、ただちに使用を止め修理してください。落下事故につながる恐れがあります。

  • 高圧ホース・継手:表面の亀裂や油漏れの有無を確認。
  • 油圧シリンダー:シリンダーロッド部分からの油漏れを確認。

※放置すると保持力が低下し、自然降下を招くため危険です。

④油圧シリンダーの清掃と錆対策

油漏れがある場合はパッキンの傷や摩耗が考えられます。

  • 汚れの除去:ロッドに付着した異物はパッキンを傷つけ、油漏れの原因になります。
  • 錆対策:長時間使用しない場合は最下限位置まで下げるか、ロッドに防錆油を塗布してください。

⑤電気系統や安全装置のチェック

操作スイッチやセンサーの異常は、誤作動や暴走の危険を孕みます。

  • リミットスイッチ:上限・下限で正しく停止するか確認。
  • 操作スイッチ:断線や接触不良がないか確認。
  • 安全装置:変形や断線がなく、目的どおり機能しているか確認。

※ボルトの緩みによるトラブルも含め、総合的にチェックしてください。

4.日常使用時の簡易チェック項目

普段の使用中に簡易的に確認できる項目です。

  • 動作:昇降時に異音や異常な振動はないか。
  • 油漏れ:周辺に油が垂れた跡はないか。
  • 自然降下:停止状態で勝手に下降しないか。
  • 外観:本体に変形、亀裂、偏摩耗はないか。

5.メンテナンス作業における注意点

作業時は必ずメンテナンス用ストッパーを使用し、電源を遮断して物理的に固定してください。不意の下降を防ぐための必須事項です。判断できない異常が生じた場合は、ご遠慮なく弊社までご相談ください。


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